年末のご挨拶

この一年、個人的には昨年からの毎月の山歩きがすっかり定着しました。
天候やメンバーの体力、時間等を考慮する計画づくりと臨機応変の現場対応が醍醐味の一つです。
自然の奥深さ・怖さに圧倒される楽しみもあります。
低山ならクツ以外はホームセンターの道具でも始められます。

深田久弥の「日本百名山」「わが愛する山々」など見ますと、仕立て直したジャケットなど、当時はかなりシンプルな装備で冬山などに挑んでいるようですし、十分かと思います。

同じく「日本百名山」では、案外多くの山で途中で引き返している様子も分かります。

ご興味ある方はあまり気負わず、しかしくれぐれも慎重に、ぜひ挑戦なさってみてください(自己責任でお願いします)。

ちなみに日常的な体力づくりとしては、ここ数年、ずっと立ちデスク(スタンディングデスク)で通しています。
なかなか身の回りに賛同者が現れないのですが、極々合理的なトレーニング方法と思います。

それでは皆様良いお年をお迎えください。

【最近の子連れ登山・ハイキング】10月~12月

(後日、暇を見て追記しています)

10月の子連れ登山・ハイキング

・浅間隠山
近隣の小学校の遠足ルートで登山。
未就学児もまったく問題ありません。

天気がよく、雄大な浅間山や草津白根山など、360度の展望が楽しめました。
独立峰で、驚くほど展望がよいです。
富士山や妙義山も見て取れました。


11月

・武甲山~小持山~大持山
トータル10キロ、高低差のべ1000メートルのコースに初挑戦。
未就学児もトータル6時間程度で無事歩きとおしました。
武甲山からの尾根歩きは、注意が必要な箇所もあります。
思いがけず高度感のある場所もあり、埼玉の奥深さを知る山行でした。


その他、12月には伊豆ヶ岳にも出かけました。山頂はうっすらと雪をかぶっていました。

休日と休暇の違い ~年末年始を前に~

 大晦日を控え、多くの職場で「冬期休暇」「年末年始休業」など、長期の休業が予定される時期となりました。
  こういった休日休暇については、通常、就業規則などで「所定休日」や「特別休暇」などの項目で時期や日数などが定められています。
  今回は「職場の休日・休暇」について、その違いと実務との関わりについてご紹介します。


1.休日・休暇と割増賃金
 一見、同じように思える「休日」と「休暇」ですが、労務管理上は扱いが異なります。
  具体的には、「休日」が「そもそも労働する義務のない日」であるのに対して、「休暇」は「本来は労働義務のある日だが(労働者の申請により)その義務を免除した日」とされています。
 このため、割増賃金の計算では次のような違いが生じます。


(1)休日を増やすと割増賃金の単価が上がる?
 一般的な月給制・日給月給制の割増賃金の時間単価を求める計算方法について、労働基準法施行規則では次のように定めています。
【割増賃金の基礎となる賃金の計算(一部抜粋)】 月で定められているときはその額を月の所定労働時間数で割った額(月によって所定労働時間数が異なるときは年間の月平均所定労働時間数で割った額)
このため「休日」を増やすと、年間を通じた所定労働時間の合計数が減り、月あたりの平均所定労働時間数も減ります。結果的に割増賃金の計算単価は増額することになります。


(2)休暇扱いにした場合の割増単価は?
 対して「休暇」扱いとした場合は、所定労働時間数の合計数は減りません。このため「休暇」を増やしても、割増賃金の計算単価には影響がありません。


(3)休日・休暇に勤務したときの割増賃金は?
 「休日」の勤務は、事前に振り替えていない場合、所定外の勤務となりますので、所定外・法定外の割増賃金の対象となる場合があります(その職場で採用している労働時間制と休日制度によります)。
 一方、「休暇」に出勤した場合は、所定の労働日の勤務となり、通常の勤務として扱われます。
  なお、「休暇」を取った日(半日休暇など)に出勤して残業する場合に割増賃金を支払う必要があるかどうかは、実際に労働した時間数で判断します(残業時間分の通常の賃金は支払う必要があります)。


2.休日・休暇の制度
 休日、休暇に関する法的な制度を整理しますと、次のとおりとなります。


(1)労基法に定める法定休日とそれ以外の休日
 労働基準法では、毎週少なくとも1日休日を与えるよう義務付けており、違反すると罰則が適用されます。
  また例外として4週を通じて4日以上の休日を与える変形休日制も認められています。 この休日は法定休日と呼ばれ、出勤すると休日割増賃金の対象となります(事前に振替える場合は除く)。
 これ以外の休日は会社等が自由に定めるもので、所定休日と呼ばれ、法律で定める休日割増賃金の対象外です。


(2)法定の年次有給休暇とそれ以外の休暇
 「休暇」で一般的なものは労働基準法に定める年次有給休暇ですが、これ以外にも「慶弔休暇」「夏季休暇」「年末年始休暇」や「特別休暇」など、各職場で任意の休暇制度が運用されています(夏季休暇、年末年始休暇については「休日」とされている例も多く見受けられます)
 任意の休暇制度は申請の条件や期限、失効時期を自由に設定できますし、「承認制」「許可制」などとしても差し支えありません(変更の場合、「労働条件の不利益変更」にあたる可能性はあります)


(3)就業規則の規定の再確認を
 以上のように、休日・休暇の取り決めは、割増賃金の単価や支払方法にも関わっています。
  お盆休みや正月休みなどを休日・休暇どちらの扱いとすべきか、または年次有給休暇の「計画的付与」の対象とすべきかなど、見直しの際には就業規則の規定や労使協定の締結状況もご確認のうえ、ご検討なさってください。

事務所ニュース2015年1月号を配信しました。

今般、事務所ニュース「人事労務トピックス2015年1月号」を配信しましたのでお知らせします。


PDFファイルを公開していますので、右上の事務所の配信ページリンクからご覧ください。


内容は下記のとおりです。

休日と休暇の違いと割増賃金  ~年末年始を前に~

  大晦日を控え、多くの職場で「冬期休暇」「年末年始休業」など、長期の休業が予定される時期となりました。
 こういった休日・休暇については、通常、就業規則などで「所定休日」や「特別休暇」などの項目で時期や日数などが定められています。
 今回は「職場の休日・休暇」について、その違いと実務との関わりについてご紹介します。

マイナンバー制度の導入を前に  ~社会保険手続の本人確認事務の変更~

平成28年1月からマイナンバー(個人番号)制度が導入されます。この制度は社会保険や雇用保険、税などの手続きとも密接な関わりがあり、従業員のマイナンバーの管理など、経営への影響も想定されます。
今回はこの制度の導入を控えた社会保険事務手続きの変更と、マイナンバー制度の概要について、ご紹介します。

1.基礎年金番号への住民票コード収録
日本年金機構ではマイナンバー制度の導入に先立ち、「基礎年金番号」に「住民票コード」を収録する取組みを進めています。住民票コードがマイナンバーを付番するベースとなるためです。
ただ、何らかの事情により収録が進んでいない事例もあることから、今後も取組みを継続していくとのことで、基礎年金番号に関しては、今秋から次のような取組みが始まっています。
(1)社保 資格取得時の本人確認事務の変更
今年の10月から、「社会保険(健康保険・厚生年金保険)の被保険者資格取得手続き」の際、下記①②の両方にあてはまる人について、備考欄に住民票の住所を併記することになりました(住民票を添付する必要はありません)。
①基礎年金番号がないか、事業主が確認できない人
・20歳未満で厚生年金保険に加入歴がない人
 ・年金手帳を紛失し、番号が分からない人
②住民票上の住所以外に郵便物が届く住所がある人
 これまで、基礎年金番号が不明な場合、運転免許証や写真付き住基カードなど、所定の方法で本人確認をし、備考欄に確認した方法について記載することとされてきました。今後も本人確認は必要ですが、記載は省略できます。
また、①②とも該当する方で基礎年金番号を持ったことのある人については「年金手帳再交付申請書」も同時に提出する必要があります。
この届け出により、日本年金機構では「基礎年金番号がない人には住民票コードを紐付けた新たな基礎年金番号を付番」し、「基礎年金番号不明な方には住民票コードから本人と思われる基礎年金番号を特定し、案内する」としています。
 それでも特定できない場合には、提出した被保険者資格取得届が返される予定となっています。
被保険者証の交付が遅れることのないよう、基礎年金番号の不明な人については、本人確認と住民票の住所の確認を徹底されることをお勧めします。

(2)被保険者の住所確認
すでに被保険者となっている人で、住民票の住所と届け出た住所が異なる人などには、今年11月に日本年金機構から直接「住民票の住所(住民票コード)登録申出書」が郵送され、確認が進められるとのことです。ここで「宛所不在」となる等、確認できない人については、本人の在籍する事業所宛に確認の要請があるようです。

2.マイナンバー(個人番号)制度とは?
マイナンバー制度では、住民票をもつすべての人に、1人1番号のマイナンバーを住所地の市町村長が指定します(原則として生涯変更されません。同時に法人にも法人番号が指定され、こちらはインターネット等で公開されます)。
各自のマイナンバーは来年、平成27年10月以降、直接送付される「通知カード」で確認できるようになります。
このマイナンバーは、雇用・年金・医療といった「社会保障」の他、「税」「災害対応」の3分野で各種の行政機関の持つ個人情報と紐付けられます。制度の導入により、行政の効率化や国民の利便性の向上といった効果が期待されています。
反面、マイナンバーの漏洩や他人のマイナンバーを利用した成りすましでは大きな被害が予想されるため、厳正な本人確認や情報管理が求められており、マイナンバー法には厳しい罰則が定められています。
個人情報の保護という主旨では、かつての個人情報保護法の施行時期が思い起こされます。
今回は事業者にはより厳格な対応が求められるとのことで、実務を念頭において情報を収集し、備えておく必要がありそうです。
(塩澤)

事務所ニュース2014年12月号を配信しました。

今般、事務所ニュース「人事労務トピックス2014年12月号」を配信しましたのでお知らせします。


PDFファイルを公開していますので、右上の事務所の配信ページリンクからご覧ください。


内容は下記のとおりです。

・マイナンバー導入を前に  ~社会保険手続きの本人確認事務の変更~

 平成28年1月からマイナンバー(個人番号)制度が導入されます。この制度は社会保険や雇用保険、税などの手続きとも密接な関わりがあり、従業員のマイナンバーの管理など、経営への影響も想定されます。
 今回はこの制度の導入を控えた社会保険事務手続きの変更と、マイナンバー制度の概要について、ご紹介しています。

「遅刻」の労務管理 ~常習者対応、賃金控除、割増賃金など~


 遅刻や早退、私用外出、欠勤については、常習性の有無を問わず、日ごろから厳格な管理を徹底しておく必要があります。
 今号では、従業員の遅刻への対応について労務管理上の留意点をまとめました。
 

1.賃金のカットと「減給の制裁」

 遅刻により勤務しなかった分の賃金を控除することに、法的な問題はありません。
 就業規則や賃金規程に定めた方法で1時間あたりの賃金額を計算し、給与から「遅刻控除」などの項目で差し引くことができます(2.のように完全月給制など特に定めがある場合は除きます)。

 これに対して、例えば「遅刻・早退に対して30分単位で賃金を控除する」など、勤務しなかった時間を超えて賃金を控除する場合には、超えた分は「減給の制裁」として労働基準法の規制を受けます。

労基法91条(制裁規定の制限)
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金※の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。

平均賃金とは、直近3ヶ月にその労働者に支払われた賃金総額を3ヶ月間の総日数で除した額をいいます(原則の計算式で、日給制・時給制の場合など例外もあります)。

  こういった場合について、通達では「就業規則に制裁の章を設け、その中に規定するなど、制裁であることを明らかにしておく方が問題を生ずる余地がないから適当である」としています。

 また、遅刻に対して減給の制裁を行う場合には、その都度、注意し、始末書を提出させるなど、事業主として改善のため指導を行っていることが前提となります。

 「数回の遅刻で(勤務しなかった時間分を超える)××の額を減給する」とする場合にも、機械的に賃金控除するのでなく、就業規則に定める制裁の一環として、法定の限度内で、必要な指導を踏まえたうえで、制裁としてのバランスを考慮したうえで実施する必要があります。



2.給与形態や労働時間制に応じた賃金控除

 完全月給制フレックスタイム制の場合、遅刻控除、欠勤控除ともできません。
 裁量労働制の場合、業務に従事した日は労使協定などで定めた時間を勤務したものとみなされるため、遅刻控除することはできません。業務に従事しなかった日については欠勤控除できます(完全月給制の場合をのぞく)。
 事業場外のみなし労働時間制では、遅刻、早退の届出があるなど明確に勤務しなかった時間が確認できる場合は、相当分をみなし労働時間から控除できるものと考えられます。労使協定にその旨を定めておかれることをお勧めします。業務に従事しなかった日については欠勤控除できます(完全月給制の場合をのぞく)。 



3.遅刻当日の割増賃金

 就業規則と36協定(時間外・休日労働に関する労使協定)にもとづき、1日の法定労働時間(原則8時間)を超えて労働させた場合には割増賃金が発生します。
 この法定労働時間の長さは実労働時間数で判断します。 このため、遅刻した当日に終業時刻を繰り下げた場合でも、1日の法定労働時間を超えなければ割増賃金は発生しません。
 


4.書面での届け出の徹底など、管理は厳格に

 社内の届出様式を用意し、原則として事前に(やむをえない場合は事後すみやかに)所定の形式で理由を書面で届出るようにします。提出先や提出期限も統一し、管理する側も面倒がらずその都度、毎回理由を確認するよう徹底します。
 本人の勤務態度の他、健康状態、生活環境の変化を把握でき、トラブルの回避にもつながります。
 就業規則等の制裁に関する根拠規定は十分に整備したうえで、理由によっては事情を聴取し、注意書・警告書の交付、始末書の提出命令など、厳格に対応していきましょう。
 
 (塩澤)

事務所ニュース2014年11月号を配信しました。

今般、事務所ニュース「人事労務トピックス2014年11月号」を配信しましたのでお知らせします。

(ブログ右上のリンクから、当事務所事務所ニュースPDFファイル配信ページをご覧いただけます。)

内容は以下のとおりです。


・「遅刻」の労務管理  ~常習者対応、賃金控除、割増計算など~

 遅刻や早退、私用外出、欠勤については、常習性の有無を問わず、日ごろから厳格な管理を徹底しておく必要があります。

 今号では、従業員の遅刻への対応について労務管理上の留意点をまとめました。

 詳細はご相談ください。

【最近の子連れ登山】8月~9月

(リアルタイムでないのですが、暇を見て追記しています)

8月の子連れハイキング

・鳥海山
(象潟方面から車で鉾立、鳥海湖まで見物して下山予定)
→台風直撃で断念。
 小学生未就学児でも十分問題ないコースのようです。

・秋田駒ケ岳
(八合目小屋から外輪山周回予定)
→ガスと風。弥陀が池小屋までいきましたが、子連れのため断念。
 こちらもコンディションがよければ何の問題もありません。
 八合目小屋で初の小屋泊。施設も、人も素晴らしいです。
 


9月

・妙義山
(石門めぐりのみ)
 一部、小学校未就学児には不可能なルートあり(鎖にてがとどかず)。
 私は天狗の評定を見物に行きましたが、登ってみただけでびびってしまい、戻りました。
 写真の手すりから向こうは、天狗の評定といわれる岩場(鎖がぶら下がっているところ)まで、10メートル弱くらいの回廊になっていますが、両側が数十(百数十?)メートル切れ落ちています。
 この恐怖は別に乗り越えなくてもいいかもしれません(行って落ちても誰も得をしませんし)。
 家人が交代で行きたがりましたが(逆にどんどんいってしまいそうな人なので)止めました。
 写真右奥のほうにある砲台岩もスルー。
 ここに登るまでに、横ばいの鎖場があり、小学校低学年以下では難しいと思います。
 クツも岩稜に対応できるものが良いでしょう。
 後日、youtubeで見るとみなさんひょいひょいといってしまうようで、たいしたものと思います。
 今回はこれから戸隠山に行くことも考えてのぞきにいったのですが、ちょっと無理かもしれません。

・四阿山~根子岳
(菅平牧場から周回)
 慣れていない小学生未就学児には厳しいかもしれません。
 展望は素晴らしかったです。




・谷川岳
(ロープウェーで天神尾根~ピーク~田尻尾根で下山)
未就学児と小学生連れの田尻尾根からの長い長い下山は、
後々話の種になる一大イベントとなりました。
雨上がりでなければ危険箇所はないと思います。

御嶽山噴火の同日同刻、谷川のピークで昼食中でした。
百人以上がトマノ耳、オキノ耳にいたと思います。
同様の状況では、ひとたまりもなかったものと思います。
なくなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。





給与計算のチェック項目 ~「秋期編」最低賃金や社会保険料などの変更~

 月々の給与計算には、さまざまな法律や制度が関わっています。保険料率や控除額の切替のタイミングは制度により異なりますので、計算の際には、これまでと同じ方法で問題ないか、チェックする必要があります。

 今月は、給与計算についてご相談を受けることの多い内容のうち、秋の時期に特有の項目からまとめました。今後、回を改めて続編を取りまとめてまいります。
 

1.最低賃金(地域別)のチェック
 地域別の最低賃金は毎年10月頃、改定されています。
 発効時期は都道府県によりまちまちです(今年の改定の一覧表を同封します)。最低賃金を下回ると、労働基準法や最低賃金法に違反するほか、賃金未払いが生じます。

①給与計算期間中に改定になったとき
 発効日以降は、改定後の最低賃金が適用されます。時給額や1時間あたりの賃金額が改定後の最低賃金額未満のときは、発効日以降、最低賃金額以上の額に改定する必要があります。
 たとえば当月は時給額等はこれまでどおり据え置き、不足する差額を別の項目で加算支給する、という方法も考えられます。この場合は、最低賃金額との差額であることが分かるよう、項目名などにご留意ください。

②1時間あたり賃金額の確認
 月給制の場合、最低賃金の対象となる賃金の合計額を「1ヶ月の所定労働時間」で割って求められます。日給制では「1日の所定労働時間」で除します。
 最低賃金の対象となる賃金とは、「毎月支払われる基本的な賃金」を指し、次の手当などは除かれます。

【最低賃金の対象外となる賃金】
・臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
・1ヶ月を超える期間毎に支払われる賃金(賞与など)
・所定労働時間外労働に支払われる賃金(残業手当など)
・所定休日労働に支払われる賃金(休日割増賃金など)
・夜10時~朝5時の労働に支払われる賃金のうち、通常 の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
・精皆勤手当、通勤手当、家族手当


2.秋の社会保険料額のチェック
 社会保険料額はこの時期、算定基礎届による定時決定や厚生年金保険料の料率改定などで変動します。

①9月分厚生年金保険料の料率変更
 厚生年金保険の保険料率は、平成17年9月以降、毎年9月に引き上げられ、平成29年9月からは固定されます。当月分の社会保険料を当月給与から引いている事業所では9月支払給与の保険料額から、翌月給与から引いている事業所では10月支払給与の保険料額から変更となります。
協会けんぽの健康保険料率や介護保険料率は毎年3月分から見直されています) 

②定時決定(算定)による9月分社会保険料の変更
 7月に届出た算定基礎届を受けて、毎年9月に新たに向こう1年間の社会保険料額が決定されます。①の厚生年金保険料の料率改定と同時期ですので、同時にご確認ください。

③8月、9月の随時改定(月変)による社会保険料の変更
 5月支払給与の固定的給与の改定により8月に随時改定(月変)となった方や、6月支払給与の同様の改定により9月に随時改定となった方は、②の定時決定の対象外となり、それぞれ8月分、9月分から社会保険料が変更されます。①②同様に、当月分または翌月分の給与から保険料額を変更してください。
賃金の支払状況により、結果的に随時改定されなかった方は「算定基礎届」の届出が必要です。

④社会保険料の変更もれがあったとき
 給与支払後、健康保険料、厚生年金保険料などの変更漏れが分かったときは、翌月の同じ項目で差額を精算するなど、お早めに対応なさってください。
 本人負担分の不足額を精算せず、会社が肩代わりした場合には、その分賃金の支払があったものとされます。
 労働保険料や社会保険料の算定、保険給付額など、影響は小さくありません。くれぐれもご留意ください。

  (塩澤)

事務所ニュース2014年10月号を配信しました。

今般、事務所ニュース「人事労務トピックス2014年10月号」を配信しましたのでお知らせします。

(ブログ右上のリンクから、当事務所事務所ニュースPDFファイル配信ページをご覧いただけます。)

内容は以下のとおりです。

「給与計算のチェック項目 ~「秋期編」最低賃金や社会保険料等の変更~」



 月々の給与計算には、さまざまな法律や制度が関わっています。保険料率や控除額の切替のタイミングは制度により異なりますので、計算の際には、これまでと同じ方法で問題ないか、チェックする必要があります。
 今月は、給与計算についてご相談を受けることの多い内容のうち、秋の時期に特有の項目からまとめました。今後、回を改めて続編を取りまとめてまいります。
 

労務管理の書類と保管期限 ~法定三帳簿と労働・社会保険書類など~

労務管理の基本となる帳簿に、労働基準法で定められた「法定三帳簿」があります。
このほか、関連書類として「労働・社会保険関連」「安全衛生関連」「派遣関連」「源泉所得税関連」などがあります。
それぞれ記入する内容や保存期限が決められていますので、記事にまとめました。
書類の整備、管理にお役立ていただければ何よりです。

1.法定三帳簿などとその保存期限
それぞれ事業場毎に作成します。様式を厚労省のホームページでダウンロードできます。給与計算ソフトウェア等を利用して効率的に管理できる場合もあります。

【労働者名簿】
事業場毎、労働者ごとに作成。保存期限は死亡、退職又は解雇の日の翌日から3年。記載項目は次のとおり。
「氏名、生年月日、履歴、性別、住所、従事する業務の種類、雇入れ年月日、退職年月日と退職事由(解雇のときは解雇事由を含む)、死亡年月日と原因」

【賃金台帳】
事業場毎に賃金支払の都度作成。保存期限は最後の記入をした日の翌日から3年源泉徴収簿としては申告期限の翌日から7年)。記載項目は次のとおり。
「氏名、性別、賃金計算期間、労働日数、労働時間数、時間外・深夜・休日労働時間数、基本給・手当てその他賃金の種類毎にその額、賃金からの控除額」

【出勤簿】
労働時間・休日・休憩の規定の趣旨から、使用者には労働時間を適切に管理する義務があるとされています。記載項目は次の項目が挙げられます。保存期限は最後の記入日の翌日から3年(タイムカード・時間外休日勤務申請書などの保管もお忘れなく)。
「氏名、出勤日、始業・終業時刻、休憩時間など」

【雇い入れ、解雇に関する書類】
労働基準法では上記の書類のほか、雇入れ、解雇、災害補償など労働関係に関する重要な書類を3年保存しなければならないとしています。
「雇用(労働)契約書・労働条件通知書、辞令等…退職、死亡の日の翌日から3年」
「災害補償に関する書類…災害補償の終わった日の翌日から3年」

※電子ファイル形式での保存の条件
「法令で定められた要件を具備し、かつそれを画面上に表示し印字することができること」「労働基準監督官の臨検時等、直ちに必要事項が明らかにされ、提出し得るシステムとなっていること」「誤って消去されないこと」「長期にわたって保存できること」などの要件を満たす必要があるとされています。

2.その他の労務管理関連書類と保管期限

【労働保険】
労働保険料の徴収・納付関係」の書類、「労災保険」に関する書類について、完結の日の翌日から3年の保存が義務付けられています。

【雇用保険】
被保険者に関する書類」は完結の日(退職、解雇、死亡の日)の翌日から4年それ以外の書類は完結の日(退職、解雇、死亡の日)の翌日から2年の保存が義務付けられています。

【社会保険(健康保険・厚生年金保険等)】
完結の日(退職、解雇、死亡の日)の翌日から2年の保存が義務付けられています。

【安全衛生】
主な書類では「安全委員会、衛生委員会、または安全衛生委員会の議事録」は作成日の翌日から3年、「健康診断個人票」は作成日の翌日から5年の保存が義務付けられています。

【派遣法関連】
派遣元管理台帳」「派遣先管理台帳」は契約完了の日の翌日から3年の保存を義務付けられています。

【給与所得の源泉徴収関連】
給与所得の扶養控除申告書」などの保存期限は、提出期限の翌年の1月10日の翌日から7年です。「源泉徴収簿」は申告期限の翌日から7年です。

(塩澤)

事務所ニュース 2014年9月号を配信しました。

今般、事務所ニュース「人事労務トピックス2014年9月号」を配信しましたのでお知らせします。

(ブログ右上のリンクから、当事務所事務所ニュースPDFファイル配信ページをご覧いただけます。)

内容は以下のとおりです。

「労務管理の書類と保存期間 ~法定三帳簿と労働・社会保険書類など~」



 労務管理の基本となる帳簿に、労働基準法で定められた「法定三帳簿」があります。
 このほか、関連書類として「労働・社会保険関連」「安全衛生関連」「派遣関連」「源泉所得税関連」などがあります。それぞれ記入する内容や保存期限が決められていますので、記事にまとめました。書類の整備、管理にお役立ていただければ何よりです。

【最近の子連れ登山レポート】5月~7月 月山でオコジョと遭遇


社労士にとって、5月から7月は、年間の定例業務である「労働保険の年度更新」と「社会保険の算定基礎届」の手続き時期で、業務の(行楽地的にいうと)ハイシーズンにあたります。

同時にこの時期は山開きシーズンであり、子連れ登山のしやすい時期でもあります。

事業主の健康維持は事務所運営の大前提、という言い分で、繁忙期にもかかわらず連休、週末と方々でかけていました。

赤城山、那須岳(茶臼岳~朝日岳)、子の権現、三国山(群馬・新潟県境)、飯士山(越後湯沢)、月山といった山々です。
(このうち、那須岳の茶臼~朝日の鎖場、月山・弥陀ヶ原への下りは未就学児には厳しいかもしれません。夏場の低山の給水にもくれぐれもご留意を!)

この間、最大の事件は月山でのオコジョとの遭遇でした。

野生動物系はいつも子供や妻ばかり遭遇し、私は見逃すパターンなのですが、ついに!
大事にされているのか、人を怖がらず、興味津々で近づいてきました。至近距離でした。

山は彼らの住処で、こちらのほうが闖入者、と毎回痛感します。
引き続き大事にしていきたいものです。




業務中・通勤中の交通事故と労災 ~特別支給金は調整されません~

 従業員が業務中(通勤中)に自動車事故にあい、亡くなったり、負傷した場合に、業務災害(通勤災害)と認定されると、労災保険の給付対象になります。

 一方、交通事故の被害者は加害者に対して民法上の損害賠償を請求でき、自動車損害賠償責任保険等の保険金や共済金を受けることができます。

 これらの保険給付と保険金等には、療養費や休業による賃金の喪失分など重なる部分がありますので、実際の損害以上に給付を受けることになってしまいます。

 労災保険ではこのような重複のないよう、保険給付の求償・控除を行って調整しています。
 今回はこの調整と、調整の対象外となる「特別支給金」についてご紹介します。


1.労災保険給付の調整
 労災保険の保険関係の当事者は「政府、事業主、保険給付の受給権者」ですので、交通事故など当事者以外の者(第三者=加害者)の行為による災害は、「第三者行為災害」と呼ばれ、保険給付は下記のように調整されます。

【求償】
労災保険から先に給付を受けたときは、政府は給付額を加害者に請求する。

【控除】
加害者から先に民事上の損害賠償を受けたときは、労災保険の給付額からすでに受けた額を控除して差額を給付する。

【調整される項目】
治療費」「休業中の賃金喪失分」「残存障害による将来の賃金喪失分」「介護費用」「死亡による将来の賃金喪失分のうち受給権者の相続分に相当する額」「葬祭料」など

【調整される期間】
平成25年4月以降の災害については、災害発生後「7年」以内に支給事由が発生した労災給付で、同期間内に支払うべきものは「控除」の対象になります(平成25年3月以前は「3年」でした)。「求償」については、3年間となっています。

※示談と保険給付
被災者と加害者の間で、被災者側が受け取るすべての損害賠償についての示談が真正に成立した場合、政府は原則として示談成立以降の保険給付を行いません。


2.自賠責保険等との関係
 自賠責保険等の保険金等は加害者の損害賠償を肩代わりするものですので、労災保険の保険給付は「求償」「控除」により調整されます。
 このようなケースでは、原則として自賠責保険等を先行することとされていますが、被災労働者が希望するときは、労災保険の給付を先に受けることもできます。
 一般的には次の理由から自賠責保険等から支払を受けるケースが多いようです。

・自賠責保険等には仮渡金制度があり、支払が早い。
・休業損害について、自賠責保険等では休業初日から100%填補される。労災では休業3日まで支給されず、4日以降も60%にとどまる(このほか、どちらも調整対象外の休業特別支給金20%を申請できる)。
・自賠責には慰謝料があり、療養費の範囲も広い。

 自賠責保険等を先行した場合、引き続いて任意保険による支払を受けるか、労災保険による支払を受けるかについても同様に選ぶことができます。
 なお「自賠責保険等には保険金支払限度額があること」「労災保険には過失割合による減額の仕組みがないこと」など考慮し、労災保険を先行するケースもあります。この場合は同一の事由により自賠責保険等からの支払を受けることができません。


3.特別支給金は調整されない
 労災保険が行う社会復帰促進事業により支給される特別支給金は、保険給付でないため調整の対象外です。
 自賠責保険等を先行した場合も特別支給金だけを申請することができます。ただしこの場合、「診療担当者の証明」については労災の給付の対象とならないため、証明料は被災者の自己負担となります。ご留意ください。
 休業特別支給金の時効は2年、その他の特別支給金は5年となっており、この期間中に申請する必要があります。

【特別支給金の種類】
休業特別支給金 … 業務災害、通勤災害による療養により労働できないため賃金を受けない日が4日以上に及ぶとき、1日につき法定平均賃金の20%

・その他、次の8種類の特別支給金があります。 … 傷病特別支給金・障害特別支給金・遺族特別支給金、傷病特別年金・障害特別年金・遺族特別年金、障害特別一時金・遺族特別一時金

【事務所ニュース】2014年8月号を配信しました。

今般、事務所ニュース「人事労務トピックス2014年8月号」を配信しましたのでお知らせします。
(ブログ右上のリンクから、当事務所事務所ニュースPDFファイル配信ページをご覧いただけます。)

内容は以下のとおりです。

「業務中・通勤中の交通事故と労災 ~特別支給金は調整されません~」

 従業員が業務中(通勤中)に自動車事故にあい、亡くなったり、負傷した場合に、業務災害(通勤災害)と認定されると、労災保険の給付対象になります。
 一方、交通事故の被害者は加害者に対して民法上の損害賠償を請求でき、自動車損害賠償責任保険等の保険金や共済金を受けることができます。
 これらの保険給付と保険金等には、療養費や休業による賃金の喪失分など重なる部分がありますので、実際の損害以上に給付を受けることになってしまいます。
 労災保険ではこのような重複のないよう、保険給付の求償・控除を行って調整しています。
 今回はこの調整と、調整の対象外となる「特別支給金」についてご紹介します。

割増賃金の計算方法~実務上の留意点~

法律で定められた割増賃金を支払わない場合、賃金の未払いとなり、労働基準法に違反し、罰金刑の対象ともなります(通常は事前に指導や是正勧告が実施されます)。
今月は割増賃金の計算方法について、見落とされがちな実務上の留意点をご紹介します。

1.割増賃金の種類と割増率
割増賃金は次の3種類です。
・時間外 ・・・1日8時間、週40時間超の勤務 ・・・25%以上
・休日 ・・・法定休日(週1日、4週4休)の勤務 ・・・35%以上
・深夜 ・・・22時~翌5時の勤務 ・・・25%以上
※法定休日の勤務には時間外割増賃金は発生しません。
※平成22年4月からは月60時間超の時間外勤務の割増率は50%以上とされていますが、中小企業は当面猶予されています。
※労基法に定められた「変形労働時間制」を導入すると、1ヶ月または1年など所定の期間を平均して週40時間となる範囲で勤務スケジュールを組むことができ、その範囲では時間外・休日割増賃金は生じません。

2.割増賃金の単価は1時間あたり賃金額
① 割増賃金は1時間あたりの賃金額に、割増率と対象時間数を乗じて求めます。
② 1時間あたりの賃金は、対象となる賃金の合計額を月平均所定労働時間数で除して求めます。
③ 月平均所定労働時間数は、1日の所定労働時間数と年間の所定休日数から求めます。所定休日数が不明で、
週(または週平均)所定労働時間が法律上の上限の40時間のときは、下記④の式で月平均所定労働時間数を求められます。
就業規則等の記載にもご留意ください。
①割増賃金の額
=1時間あたりの賃金の額×割増率×対象となる時間数
②1時間あたりの賃金の額
=割増賃金の基礎となる賃金の合計額
÷月平均所定労働時間数
③月平均所定労働時間数
=1日の所定労働時間×(365日-年間所定休日数)
÷12ヶ月
④法定の上限の月平均所定労働時間数
=週40時間×年間52.14週÷12ヶ月≒173時間

3.割増賃金の計算から除外できる手当
割増賃金の計算では、基本給の以外の諸手当も一部の例外をのぞいて計算に含まれます。除外される例外的な手当は下記に限定されます。
家族手当/通勤手当/別居手当/
子女教育手当/住宅手当/臨時に支払われた賃金/
1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金
実際に除外されるかどうかは名称でなく、支払方法など、実態によります。家族数、交通費・距離や家賃に比例して支給するものは除かれ、一律で支給されるときは除かれません。就業規則等の内容にもご留意ください。

4.精勤手当(皆勤手当等)は除外できる手当か
通常の1ヶ月毎の精勤手当等は、割増賃金の計算から除外されません。支給された月については、計算に含める必要があります(「最低賃金」の計算では逆に除外しますのでご注意ください)。
なお「1ヶ月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当」は、実態に応じ、賞与などに準ずるものとして除外されます。

5.歩合給(出来高給、業瀬給など)の割増計算
「売上げの○%、契約成立1件毎に○円」というように一定の成果に対して定められた金額を支払う歩合給などの賃金制度でも、法律で定められた割増賃金を支払う必要があります。この場合、1時間あたりの歩合給などの額をもとに、割増賃金を計算します。月払の場合の例は下記のとおりです。
【歩合給の割増賃金の額】
その月の歩合給の額÷その月の総労働時間数
×(法定の割増率※)×法定外、休日、深夜勤務の時間数
※通常、時間外(休日)の割増計算には割増勤務の1時間分の単価を含め1.25(1.35)以上の割増率を乗じますが、歩合給等には単価はす 
でに含まれているため、それぞれ0.25(0.35)以上の割増率で問題ありません。

6.定額前払いの割増賃金を設定するとき
いわゆる定額残業代、固定残業代に対しては、裁判所の判断は年々、厳格化する傾向にあり、慎重な対応が求められています。
現在までの判例を検討しますと、次の①~③の条件について労使間で就業規則や労働契約書など書面での合意があり、実際に月々精算されているケースで、給与明細書上も精算の内訳が明白であれば、割増賃金の前払い分として計算から除外しうるものと考えられます。
①通常の賃金との額面上の区別が明確であること。
②何時間分のどの種類の割増賃金か明確であること。
③実際の割増賃金が前払分を超過した際は差額を支払うこと。
 給与明細などでその内訳が明確であること。

【事務所ニュース】人事労務トピックス2014.7号を配信しました。 『割増賃金の計算方法 実務上の留意点』

今般、事務所ニュース「人事労務トピックス2014年7月号」を配信しましたのでお知らせします。
(ブログ右上のリンクから、当事務所事務所ニュースPDFファイル配信ページをご覧いただけます。)

内容は下記のとおりです。

・割増賃金の計算方法 ~実務上の留意点~

法律で定められた割増賃金を支払わない場合、賃金の未払いとなり、労働基準法に違反し、罰金刑の対象ともなります(通常は事前に指導や是正勧告が実施されます)。

今月は割増賃金の計算方法について、見落とされがちな実務上の留意点をご紹介します。

懲戒処分の前に  留意点と実務対応

 経営の都合上、懲戒処分を検討せざるを得ないケースが生じることがあります。

 懲戒処分は企業秩序違反への特別な制裁措置とされ、主な処分に「けん責・戒告」「減給」「降格」「出勤停止」「懲戒解雇(諭旨退職、諭旨解雇)」があります。

 これらの処分は従業員にとって重大な不利益となるため、労働契約法に特に定めがあり、処分の際には、懲戒権の濫用として無効とされないか、考慮する必要があります(労働契約法15条)。
 以下、労働契約法の定めに沿って、懲戒処分を有効とする条件1.~3.にとりまとめました。また4.では、実務的な対応と留意点についてご紹介します。


1.根拠規定があること
 まず大前提として、懲戒の理由となる事実(事由)とその事由に応じた懲戒の種類と程度が就業規則に明記されていなければなりません。
 また、この懲戒規定は、規定される前の事案には適用されず、1回の事案に対して2回以上処分を行ってはならないとされます。


2.懲戒事由に該当し客観的に合理的な理由があること
 つぎに、事案の内容が就業規則の懲戒事由に該当していて、懲戒処分に客観的にみて合理的な理由がなければなりません。
 裁判所はこの判断にあたっては、労働者の保護を目的に、就業規則を文字通り解釈せず、具体的、限定的に読み取る傾向があります。
 たとえ就業規則にのっとった懲戒処分であっても、具体的な内容によっては無効とされることがあります。


3.懲戒処分が社会通念上相当なものであること
 また懲戒処分は、その「行為の性質・態様その他の事情に照らして社会通念上相当なものと認められない場合」には無効とされます。
 情状酌量が不十分で量刑が重すぎるとされるケースや、同じ様な過去の事案への処分と比べて重すぎるとされるケースなどがこれにあたります。
 このほか、懲戒の手続きが社会通念上、相当であることも求められています。
 就業規則等に規定された懲戒委員会の討議などの手続きを守ることはもちろん、規定がない場合も、本人に弁明の機会を与える必要があるとされています(以上、菅野和夫「労働法」参照)


4.懲戒処分前の実務対応
「事実関係の把握」
 もし懲戒事案が発生したときは、ただちに本人や関係者から事実関係を聴き取り、事実関係を把握します。必要に応じ、本人を自宅待機とする対応も考えられます(懲戒処分の「出勤停止」とは異なります。賃金を支払わない自宅待機については別途検討が必要です)。

「通常の措置での対応も」
 事実関係と就業規則の定め、社内の過去の事例や労働判例を判断材料として、懲戒処分とすべきかどうか、量刑はどうするか、検討します。
 グレーな事案や、情状酌量の余地のある事案では、ひとまず通常の労務管理の手法で対応することも検討してください。業務上の注意や指導、警告、配置転換などが考えられます。
 雇用継続が困難と考えられる事案であれば、合意退職の勧奨や普通解雇も検討の余地があります。

「懲戒解雇に解雇予告・解雇予告手当が必要か」
 事案によっては、懲戒処分のうち最も重い、懲戒解雇を検討せざるを得ないことがあります。懲戒解雇イコール即時解雇で、解雇予告は不要と誤解されることもありますが、労働基準監督署の解雇予告除外認定を受けない限り、解雇予告または解雇予告手当の支払は必要です。
 労働基準法により、事業主が労働者を解雇するときは、少なくとも30日以上前に予告するか、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません(平均賃金を何日分か支払う場合、その分予告期間を短縮できます。)。
 なお、解雇予告手当には遡及支払は認められません。
 即時解雇するときは通知と同時に、予告と予告手当の支払を併用するときは解雇の日までに支払うこととされています。

「労基署の解雇予告除外認定」
 原則として事前に事業主が労基署に申請し、認定を受ける必要があるとされています。
 労基署は申請を受け、「重大な服務規律違反または背信行為があったか」当事者双方から直接事情を確認して判断します(労働者保護
の観点から、認定には大変慎重です)。認定されないときは、懲戒解雇とあわせて解雇予告をするか、解雇予告手当を支払う必要があります。
 認定より先に懲戒解雇する場合は、事後に認定されない場合があることも念頭におき、対応されることをお勧めします(認定は懲戒解雇そのものの有効性を判断するものではないため、後々解雇の無効を主張される可能性もあります)。


【事務所ニュース】人事労務トピックス 2014年6月号を配信しました。

今般、事務所ニュース「人事労務トピックス2014年6月号」を配信しましたのでお知らせします。
(ブログ右上のリンクから、当事務所事務所ニュースPDFファイル配信ページをご覧いただけます。)

内容は下記のとおりです。

・懲戒処分の前に 留意点と実務対応


 懲戒処分は企業秩序違反への特別な制裁措置とされ、主な処分に「けん責・戒告」「減給」「降格」「出勤停止」「懲戒解雇(諭旨退職、諭旨解雇)」があります。

 これらの処分は従業員にとって重大な不利益となるため、労働契約法に特に定めがあり、処分の際には、懲戒権の濫用として無効とされないか、考慮する必要があります(労働契約法15条)。

 今回の事務所ニュースでは、懲戒処分を有効とする条件をとりまとめました。また後半では、実務的な対応と留意点についてご紹介しています。

 詳細はご相談ください。

【近況のご報告】最近の子連れ登山 富士山を眺めに石割山、鉄砲木ノ頭へ

四月は天気のよい週末に、道志川沿いに国道413号を山中湖へ向かいました。

まず石割山から平尾山、大平山を歩きました。
小学校未就学児でも問題なく歩ける、気持ちのよい道です。

特に大平山は、地元のトレランの方によれば一番お勧めとのことで、目の前にさえぎるものがなく山中湖と富士山が広がり、確かにすばらしい眺望でした。

写真は石割山の山頂からで、手前の一番向こうの山が大平山です。



石割神社までの階段や、石割神社の御神体、石割山からのロープを伝っての平尾山へのくだりなど、バリエーションに富んでいて子供のよろこびそうなコースです。


別の週末には、となりの杓子山へ出かけました。
残念ながら地元の消防団の方が野焼きをするということで入山できず、急遽、地図が不十分でも問題なさそうな三国峠付近に行くことにしました。

予定外のため少し迷いましたが、パノラマ台駐車場から鉄砲木ノ頭(明神山)、三国山をピストンしました。

こちらもまた違った角度からのすばらしい眺望でした。



三国山からの帰りには、トラバースできそうな道がみえた(ような気がしました)ので、鉄砲木ノ頭の山腹の野焼き跡の山腹を半ば強引にパノラマ台からの登山道へ向かいました。

実際には道はついておらず、お勧めできません。カヤトの野焼きが済んでおり、自然へのダメージもなさそうでしたし、見晴らしもよかった上での判断でした。
ただ、荒地を富士山を見ながら歩く道は大陸的で、爽快でした。

次の機会にはぜひ杓子山に登りたいものです。

所沢からは、朝は7時までに家を出て、圏央道から413号経由で2時間半程度で到着できました。
途中、新しい道の駅や温泉もありますし、道志山系、裏丹沢、西丹沢と、ハイキングルートにも恵まれています。

子連れ登山にもお勧めです。


年度更新を前に 賃金と諸手当の解説

再来月6月から7月10日まで、労働保険の年度更新の手続き期間となります。
今回はまず労働基準法に定める「賃金」について定義を確認したうえで、「通勤手当と交通費」「休業手当と休業補償」「労働保険料の算定対象になる賃金」といった切り口から、これまでご質問のあった内容についてとりまとめました。
労働保険の年度更新や記事の内容等について、詳細はご相談ください。


1.賃金とは
「賃金とは」
労基法では、名称(給料、手当、賞与など)を問わず、事業主が労働の対価として労働者に支払うすべてのものをいう、と定めています。
ただし、恩恵的・任意的な給付(退職金、慶弔見舞金など)や福利厚生的な給付休業補償、出張旅費・日当や交通費など実費弁済的な給付は賃金にあたらないとされています(恩恵的・任意的給付については、就業規則等で支給条件が明確な場合、賃金とされます)。

「賃金支払の5原則」
事業主は、「賃金」を、【1】通貨で、【2】全額を、【3】直接労働者本人に、【4】月1回以上、【5】期日を定めて支払う義務があります。
賃金から社会保険料や所得税など法定外の控除をするときは、過半数労組か労働者の過半数代表者と協定を締結しなければなりません。


2.通勤手当、交通費・旅費・日当について
「通勤手当は賃金か」
法的な支払義務はなく、恩恵的かつ実費弁済的な手当ではありますが、労働の対価として賃金であるとされています。労働保険料の算定基礎額に含まれる他、社会保険料の報酬にも含まれます。社会保険では、3ヶ月を超える月数分の定期券や定期代を年数回支給する場合も、支払上の便宜によるものとし、1ヶ月平均した額を月々の報酬に含めます。

「交通費・旅費・出張日当は賃金か」
旅費規程などで規定する出張旅費や日当、その他業務にともなって生じた交通費などは、事業主が通常負担すべきもので、実費弁済とされ、賃金とされません。実務上は、給与所得として課税されず、労働保険料や社会保険料の算定対象にもなりません。


3.休業手当・休業補償・解雇予告手当について
「休業手当は賃金か」
会社(事業主)都合で労働者を休業させたときは、休業させた所定労働日について、平均賃金の6割以上の手当(休業手当)を支払わなければなりません。この休業手当は賃金とされ、給与計算等で通常の給与と同様に取り扱います。
ちなみに平均賃金とは、直近3か月間にその労働者に支払われた賃金総額をその期間の総日数で除した金額をいいます(原則の計算式で、例外もあります)。

「休業補償は賃金か」
労働者が業務上の負傷や疾病による療養のために職場を休む場合、最初の3日目までは会社(事業主)が平均賃金の6割を支払わなければなりません(4日目からは労災保険から給付があります)。この休業補償は、6割を超える場合でも、休業補償である限りは賃金とされません。

「解雇予告手当は賃金か」
労働基準法により、事業主が労働者を解雇するときは、少なくとも30日以上前に予告するか、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません(平均賃金を何日分か支払う場合、その分予告期間を短縮できます)※。後者の相当額を解雇予告手当といいます。解雇予告手当は賃金とされません。

※ 天災事変などやむをえない理由で事業継続が不可能となったときや、労働者本人の責に帰すべき事由による解雇で、事前に労働基準監督署の認定をうけたときは予告や予告手当の必要はありません。


4.労働保険の年度更新と対象となる賃金
「労働保険料の申告と納付」
労働保険の保険料は、毎年4月から翌年3月末までの1年間、全労働者(雇用保険については、被保険者のみ)に支払う賃金総額に、業種別に定められた保険料率を乗じて算定します。
実務上は、毎年6月1日から7月10日までの「年度更新」の手続きで新年度の保険料を概算で納付し、同時に前年度の確定額と概算額の差額を精算します。

「労働保険料の対象とならない賃金」
今回ご紹介した中では、恩恵的・任意的な給付である退職金や慶弔見舞金などは、就業規則等に定めがあるかどうかを問わず、算定対象となりません。
賃金とされない手当等についても同様に対象外となっています。

【事務所ニュース】人事労務トピックス2014年5月号を配信しました。

今般、事務所ニュース「人事労務トピックス2014年5月号」を配信しましたのでお知らせします。
(ブログ右上のリンクから、当事務所事務所ニュースPDFファイル配信ページをご覧いただけます。)

内容は下記のとおりです。
・年度更新を前に 賃金と諸手当の解説

再来月6月から7月10日まで、労働保険の年度更新の手続き期間となります。
今回はまず労働基準法に定める「賃金」について定義を確認したうえで、「通勤手当と交通費」「休業手当と休業補償」「労働保険料の算定対象になる賃金」といった切り口から、これまでご質問のあった内容についてとりまとめました。

労働保険の年度更新や記事の内容等について、詳細はご相談ください。

パートタイマー、期間契約社員などの労務管理

今回は、パートタイマーや期間契約従業員など非常勤従業員の労務管理について、事業主様やご担当者様からご質問いただくことの多い内容をまとめました。事業所の雇用ルールの設定個別の労働条件の検討のほか、労務管理上発生する各種の手続はお気軽にご相談ください。
1.労働契約について
「労働契約書の作成」
フルタイムかパートタイムかに関わらず、期間契約(有期労働契約)の場合、契約期間と更新の有無、更新の条件を定め、雇用契約書に明記する必要があります(労働条件通知書の形式とし、欄外に従業員の署名押印欄を設ける例も見受けられます)。
契約を更新する場合は、その都度契約書を作成し、更新の有無と判断基準を明確にします。
「無期労働契約への転換」
平成25年4月以降に開始した有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたとき、労働者の申し込みがあれば期間の定めのない労働契約に転換します。
空白期間が生じたとき(クーリングの有無)の対応や、転換後の条件設定など、詳細はご相談ください。
「就業規則の作成」
常時10人以上の労働者を使用する事業場には就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務付けられています。この場合、期間契約従業員やパートタイマー等も人数に含まれます。
なお、就業規則の内容は、そのまま労働契約の内容となります。正社員について既に就業規則が作成、届出してある場合であっても、退職金や賞与、休職、特別休暇といった規定の適用を除外する統一的な根拠があるほうが望ましいです。契約形態別の就業規則を定め、正社員と異なる処遇を明確に根拠付けておかれることをお奨めします。
2.労務管理について
「年次有給休暇」
期間契約従業員やパートタイマー等であっても、雇用が6ヶ月継続すれば年休付与の対象となります。フルタイムでない場合も、週所定労働日数が4日超または年216日超、週所定労働
時間が30時間以上であれば正社員同様の年休が生じます。これらの基準に満たない勤務条件の場合も、所定労働日数に応じた日数の年休が生じます。
「雇入時・定期健康診断」
期間契約従業員やパートタイマー等でも、以下の①、②、③のどれかに該当し、かつ1週間の所定労働時間が同種の業務に従事する通常の労働者の4分の3以上であるときは、健康診断を実施する必要があります。
①雇用期間の期間の定めがない。
②期間の定めがあるが1年以上雇用される見込みがある。
③期間の定めがあるが1年以上継続して雇用されている。
「育児休業、介護休業」
育児休業は、期間の定めのある契約の従業員については、勤続1年以上で、子の1歳の誕生日の前日を超えて引き続き雇用されることが見込まれるとき、取得可能です(同日から1年を経過する日までに契約期間が満了し、かつ更新のないことが明らかな場合は対象外です)。
介護休業は、期間の定めのある契約の従業員について、勤続1年以上で、介護休業開始日から起算して93日を経過する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれるとき、取得でき
ます(同日から1年を経過する日までに契約期間が満了し、かつ更新のないことが明らかな場合は対象外です)。
※ どちらも日雇いの場合は対象外です。また労使協定を締結し、週所定勤務日数2日以下の従業員や勤続1年未満の従業員、一定期間中に契約終了が見込まれる従業員などの申出を拒むことができます。
3.公的保険について
「労災保険と雇用保険」
労災保険は、契約区分を問わず、すべての労働者が被保険者となります。保険料は全額事業主負担で、給与からの控除などは発生しません。
雇用保険は、契約区分をとわず、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる場合で、週の所定労働時間が20時間以上のとき、被保険者となります。
「健康保険と厚生年金保険」
期間契約従業員やパートタイマーなどは、通常の労働者の労働時間・労働日数の4分の3以上の人については、社会保険の被保険者となります。
臨時に2ヶ月以内の雇用期間を定めて雇用するときは社会保険の対象外となりますが、所定の期間を超えるときは、超えたときから加入します(臨時で日雇いのときは、1ヶ月を超えたときから加入)。
その他、季節的業務で雇用する場合(最初から4カ月超、雇用予定のときは、最初から加入)や、臨時的事業の事業所で雇用する場合(最初から6カ月超、雇用予定のときは、最初から加入)も対象外です。
なお、全従業員の採用時に2ヶ月の有期労働契約を前置きする場合などは臨時的な雇用とされず、当初からの加入となります。

【事務所ニュース】人事労務トピックス2014年4月号を配信しました。

今般、事務所ニュース「人事労務トピックス2014年4月号」を配信しましたのでお知らせします。
(本ブログ右上のPDF版公開ページへのリンクからご覧ください。)
内容は下記のとおりです。

・パートタイマー、期間契約社員などの労務管理
今回は、今回は、パートタイマーや期間契約従業員など非常勤従業員の労務管理について、事業主様やご担当者様からご質問いただくことの多い内容をまとめました。
事業所の雇用ルールの設定や個別の労働条件の検討のほか、労務管理上発生する各種の手続など、お気軽にご相談ください。

社会保険料について  ~決定方法、納付方法など~

今回は、事業主様からご質問いただくことの多い社会保険料の仕組みについてまとめました。健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料は月々の給与額に単純に連動しておらず、困惑されるケースも少なくないようです。各種の手続の際には、社会保険労務士による電子申請をご利用いただくことで時間や労力を大幅に軽減いただけます。お気軽にご相談ください。
1.社会保険料の決め方
「標準報酬月額と社会保険料」
健康保険・厚生年金保険では、被保険者の実際の報酬額をもとに「標準報酬月額」を決定します。「標準報酬月額」は金額帯別に区分されており、健康保険では47等級、厚生年金保険では30等級に分かれています。この「標準報酬月額」に保険料率を乗じて、社会保険料が決められます。
①健康保険の標準報酬月額:
 1級 58,000円 ~ 47級 1,210,000円
②厚生年金保険の標準報酬月額:
 1級 98,000円 ~ 30級  620,000円
「社会保険料率と事業主負担」
健康保険料率は平成26年3月から埼玉県下、東京都下等では10%弱(介護保険料率を含む場合は約11.7%)、厚生年金保険料率は平成26年8月まで17.12%、9月から17.474%となっています。保険料は事業主と被保険者で折半しますので、事業主側は月々の給与のほか、概ねその14%前後の社会保険料を負担することになります。
「社会保険料を決定する時期」
社会保険料のもととなる標準報酬月額は、①まず入社時に決定された後、②毎年、所定の期間の実績をもとに見直されます。③給与額などが大幅に変動した場合には、変動後3ヶ月間の平均をもとに見直されます。
①資格取得時決定:5月までの決定は8月まで適用。6月以降決定のときは翌年8月まで適用。
②定時決定:4~6月の報酬を7月に届出、9月から1年間適用。
③随時改定:固定的賃金の変動とともに報酬月額が2等級以上変わるとき。4ヶ月目から適用。
※育休終了後(今後は産休終了後も)に報酬額が下がる場合にも同様に改定されます。
「標準報酬月額の対象となる報酬とは?」
「報酬」とは名称をとわず、被保険者が労働の対象として受けるすべてのものをいい、現物支給されるものも含みます(都道府県別の時価に換算)。ただし、臨時に受けるものや年3回以下支給の賞与などは含みません。
※対象外となるもの:年3回以下の賞与、大入り袋、見舞金、解雇予告手当、退職金、出張旅費、交際費、慶弔費、制服や作業服など
「標準賞与額と社会保険料」
1年間に支給される回数が年3回以下の賞与は月々の社会保険料の対象外ですが、賞与額から1,000円未満の端数を切捨てた「標準賞与額」に同じように保険料率を乗じて社会保険料を計算し、事業主と被保険者で折半した額を納付します。こちらも、それぞれ上限が決められています。
①健康保険の標準賞与額の上限:
 保険者毎に4月から翌年3月の累計…540万円
②厚生年金保険の標準報酬月額:
支給1回(同月に2回以上は合算)毎…150万円
「標準賞与額の対象となる賞与とは?」
名称を問わず、被保険者が労働の対象として受けるもののうち年3回以下支給のもので、標準報酬月額と同様、現物支給のものも含まれます。年4回以上支給の賞与は標準報酬月額の対象となります。また結婚祝い金、大入り袋などは労働の対象とみなされず、対象外です。
2.社会保険料の納付など
「保険料の納付方法」
事業所の届出によって保険者が計算し、毎月10日頃に前月分を確定し、20日頃に事業所に通知、納期限は月末です。保険料は自動の口座振替などの方法で納付します。
このとき児童手当拠出金も同時に計算され(事業主のみ:厚生年金の標準報酬月額・標準賞与額に拠出率0.15%を乗じた額)、一緒に納付します。
「納付しない場合のペナルティ」
納付期限までに保険料を納付せず、督促状による指定期限も過ぎると、納付期限の翌日から完納又は財産差押の日の前日までの期間について延滞金(年利14.6%)がかかります。
「社会保険料の免除」
出産休業や育児休業に関連して事業主、被保険者ともに社会保険料が免除される仕組みがあります。詳しくは当「人事労務トピックス」先月2月号をご覧ください。