官公庁等のダウンロード書式について


春は人事異動の季節のためか、書式やひな形のご相談が多くなります。ご相談いただく方や顧客様にあっては、官公庁のホームページなどから書式や作例をダウンロードし、手直しして作成されることが多いようです。
コストもかからず、便利なダウンロード様式ですが、ご相談の事案では不要な項目が掲載されていることもしばしばあります。ご利用の際には目的を充分に吟味し、必要最低限な内容にとどめるよう、ご留意ください。
労務管理にかぎらず、「書式」や「ひな形」は業務の合理化・効率化には欠かせません。トラブル回避や法令順守にも役立つことが多く、当事務所でも各種の様式を作成し、ご利用をお勧めしています。
このような「書式」「ひな形」の活用は労務管理の「仕組み化」「システム化」の一種といってよいかと思います。よい面ばかりのような「システム化」ですが、東日本大震災後の復興事業に関する新聞のコラムで、専門家による興味深い指摘が紹介されていました。
いわく、「システム化の本質は『判断・決定を省略すること』にある 」そうで、システム化が進んだ組織で「判断停止・思考停止」や「度を越した手続の自己目的化」などの問題が生じるのは必然で驚くにあたらない、とのことでした。
業務や組織の運営にはシステム化と個別判断のバランスが大切、と日々痛感しております。仕組みづくりはやりがいのある仕事ではありますが、十分に危機感をもって取り組む必要があるものと再認識させられた次第です。
 ※原典は毎日新聞掲載のコラムでした。

平成25年4月から障害者の法定雇用率が引き上げられています。(厚労省)


事業主は、法律に定める一定の割合以上、障害者を雇用する義務があります(障害者雇用率制度)。この割合が今年平成25年4月から変更されています。民間企業においては、1.8%から2%に引き上げられました。
この変更により、障害者を雇用しなければならない事業主の範囲が「常時雇用労働者数56人以上」から「同50人以上」に変わっています。対象事業主は毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告する義務があるほか、障害者雇用推進者を専任する努力義務があります。
この「常時雇用労働者」数の数え方は次のとおりです。
週所定労働時間数が30時間以上の労働者1人1人
同20時間以上30時間未満の労働者数1人0.5人
(期間の定めのある有期契約の従業員や出向者、兼務役員等、詳細はご相談ください)
従業員数200人超(数え方は同じです)の事業主を対象とする「納付金」「調整金」「報奨金」の仕組みでも、4月から上記の法定雇用率が適用されています(来年平成26年4月1日から5月15日に申告・納付分)。
「平成25年度版 障害者雇用納付金制度のパンフレット」
http://www.jeed.or.jp/disability/employer/download/h25_pamph.pdf

事務所ニュース「人事労務トピックス2013.5号」を配信しました。


今般、事務所ニュース「人事労務トピックス2013年5月号」を配信しましたのでお知らせします。
右上のリンクより、PDFファイル配信ページをご覧いただけます。
内容は下記のとおりです。
・障害者法定雇用率が引上げられました(厚労省)
・4月以降の給与額と社会保険料 ※再掲 (厚労省)
・官公庁等のダウンロード書式について(社労士の人事労務コラムです。)

4月からの給与額と社会保険料


毎月の社会保険料の基本的な決定方法は、毎年4月~6月の3ヶ月間の給与の平均額に保険料率を乗じて決定するというもので、毎年9月に更新されています(かなりざっくりとした説明ですが…)。

このため、4月からの3ヶ月間に高額の臨時の手当が発生する場合や、繁忙期で毎月長時間の残業手当がつく場合は、ふだんの給与額と比較して割高な社会保険料を支払うことになってしまいます。
一定の場合には、前年7月~当年6月の年間の平均額での社会保険料の算定を申し立てることができますので、ご相談ください。


※社会保険料はこのほか、昇給など固定的給与の増減から3ヶ月間の平均額の増減の度合いによって随時改定されます。この場合も同様の問題が生じますが、申立ての制度等はありません。

「算定基礎届の提出(日本年金機構)」
http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=2053




改正労働契約法の施行~無期労働契約への転換Q&A~(厚労省)


4月から施行される労働契約法の改正のうち「無期労働契約への転換」について、特にQ&A形式でとりまとめてみました。詳細はご相談ください。

無期労働契約への転換
(平成25年4月1日以降に開始の)期間の定めのある労働契約が通算5年を超えて反復更新された場合で、労働者の申込みがあったときは、無期労働契約に転換させる。


「無期労働契約への転換」Q&A

Q1.「通算5年」の具体的な考え方は?
A1.今年平成25年3月末まで契約の初日のある有期労働契約の期間は通算されません。また、契約の間に一定の長さ以上の空白期間があるときは、空白期間の前の期間はリセットされます(クーリング)。期間の長さは下記の一覧をご参照ください。
なお、①通算の期間は同一の使用者ごとに計算し、②労働契約の存続期間を通算します。また③期間は暦日数で計算し、端数のあるときは、端数同士を合算して30日で1ヶ月と換算します。


クーリング期間通算対象となる契約の期間(2つ以上の場合、通算した期間)と、次の契約の間に下記の長さの空白期間があるときは空白の前の契約期間は通算されず、リセットされます(クーリング)。
通算対象となる期間   ・・・ 契約がない空白期間2ヶ月以下         ・・・ 1ヶ月以上
2ヶ月超  4ヶ月以下  ・・・ 2ヶ月以上
4ヶ月超  6ヶ月以下  ・・・ 3ヶ月以上
6ヶ月超  8ヶ月以下  ・・・ 4ヶ月以上
8ヶ月超  10ヶ月以下 ・・・ 5ヶ月以上
10ヶ月超 1年未満   ・・・ 6ヶ月以上 
1年以上          ・・・ 6ヶ月以上




Q2.本人から申込みがあれば転換とは?
A2.本人から申込みがあると、「無期労働契約への転換」を使用者が承諾したものとみなされ、無期労働契約が成立します。転換の時期は有期労働契約の終了する翌日です。


Q3.本人が申込みできる時期は?
A3.通算契約期間が5年を超えることになる期間の初日から満了日までです。申し込まなかった場合で、契約が更新されたときは、新たに同様の申込権が発生します。1年を超える有期雇用契約(上限は通常3年、特別な場合は5年)を通算して期間中に5年を超えるときも同様です。


Q4.転換後の身分は?
A4.転換後の労働条件は、直前の契約と同じですが、就業規則や個別の合意(労働契約)により、変更することができます。転換後は「定年制」の対象とする場合など、統一したルールが必要な事項については、既存の就業規則への追記や無期転換者向けの就業規則の策定といった対応が望ましいです。


「有期労働契約法のあらまし(厚生労働省)」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/pamphlet.pdf